リフォームメーカーとのトラブル、業者への不満は意外と多いもの。
大切な住まいで快適な暮らしをするには「住まいのパートナー」として信頼できるリフォーム業者を身近に持てるかどうかがポイントです。
ここでは、リフォーム業者選びや交渉の方法、契約のあり方など、ちょっとしたコツをQ&A形式にまとめました。
良い業者とは、工事の大小に関わらず、良心的にお客さまの相談や悩みにこたえ、アフターサービスのしっかりした長いつきあいができる相手、つまり住まいの「パートナー」です。業者選びは、あなたの住まいの「パートナー」探しともいえます。
以下のような業者は「パートナー」とは言えません。
(1) しつこい押し売り
しつこい営業や押し売りをして、顧客の迷惑を考えないような会社は、とても「パートナー」とは言えません。
(2) 不明確な見積もり
何でも一式いくらと書いてあり、詳細の説明がなかったり、難しい専門用語を羅列している業者。使用される材料名や規格、施工する面積などが不明だと、工事が終わってトラブルが発生しても追求できません。
(3) 派手すぎる宣伝
非常に派手に広告・宣伝を行っている業者。その広告・宣伝にかかる費用も、工事費に含まれていると認識しましょう。
(4) 大幅な値引きをする
最初は高い金額で提示してきて、後で大幅に値下げしてくる業者。企業努力で質の良いものを安く提供しているのではなく、もともと安いものを高くふっかけている可能性があります。
(5) 何でも安請け合いをする
質問や相談に「できますよ」「大丈夫です」と何でも安請け合いする業者。契約ほしさに適当に返事をしている場合があります。逆に顧客の要望に対して「無理です」「やめた方が良いでしょう」とはっきり言える業者の方が信用がおけます。
(6) 工事に比べ会社の規模が大きい
依頼する業者の経営規模が大きすぎる業者。悪いとは限りませんが、小規模な工事を大規模な会社に頼むと、繁忙期などには高額の物件や官公庁の工事に優秀な現場監督さんやうでのいい職人さんがまわされてしまうこともあります。
業者を選ぶ際には、「住宅に関する知識や交渉の経験の違い」や「工事の内容・規模」を考えて選択すると良いでしょう。
1. お客さまの知識・経験で決める
・要望を伝え全てまかせたい人
→ リフォーム専門店、工務店や建設会社等
・リフォームに関心があり、いくつかの業者との取りまとめができて現場管理の時間がとれる人
→ 各部門(内装・住宅設備・塗装・タイル等)の専門工事店、リフォーム専門店
2.工事の内容・規模で決める
・単なる修繕やメンテナンス
→ 個人営業の職人さん、リフォーム専門店
・間取りの変更や増改築
→ 提案力のある専門店、住宅メーカー・建設会社のほか、プランだけを設計事務所に依頼も可。
依頼する家の「完成したときのイメージ」が、見積書に書かれているかどうかが重要です。見積書を十分にチェックして、自分自身と業者の完成イメージをすりあわせておくことが大切です。工事は返品できないのですから。
チェックポイント 1:依頼内容が明確か
(1) 工事の範囲、使用される商品の規格・商品名・色柄等
(2) 作業の工程・手順
以上の2点が明確になっているかを確認しましょう。
「〇〇工事一式 〇〇〇円」と書かれた見積もりはダメです。どんな工事を予定し、それにいくら必要なのか、という説明がありません。
チェックポイント 2:関連工事の追加の可能性はないか
見積りの際、業者に「有償の追加工事の発生する可能性があれば教えて」とあらかじめきいておくことが大切です。
リフォームの場合、新築工事と違って、とりかかってみないとわからない部分が確かにあります。工事を始めてみたら、追加で工事する必要が出て結局予算オーバーということにもなりかねません。
「口約束」は絶対に避けましょう。
万が一トラブルとなった場合、あとで証拠として残りません。業者が「ここはサービスさせてもらいます」と言ったら一筆書いてもらうなど、交渉事はすべて文面にして明確にしておきましょう。
1. 大幅な値引き、キャンペーン特価、モニター工事などの甘い言葉に要注意。
大幅な値引きを持ちかけたり、「モニターになってください。工事費の半分は会社が負担します」「今日までならキャンペーン期間なので安くします」などの甘い言葉にはご注意。
契約を迷ったときには保留にして、いったん業者(営業マン)には帰ってもらいましょう。そして、冷静になってからじっくりと考えてみるのがいいでしょう。
また、必要以上に値引き交渉をすると、建材等の質が落ちたり、手抜き工事の原因になる場合もあるので、無理はしないようにしましょう。
2. 口約束はトラブルのもと。契約書を必ずもらいましょう。
口約束は、何かトラブルが発生しても証拠がないため役立ちません。必ず、きちんと文書で契約書を取り交わしましょう。
工事金額のみならず、工事期間や支払い条件も忘れずに。そのほか、「雨漏り工事は完全に雨漏りが止まるまで行うこと」などと、気がかりな点は全て契約書に書き入れましょう。
3. 工事代の支払いは、完了確認が済む前に全額支払わないこと。
工事終了後に、見積りや契約書と出来上がりが違っている部分や、一部やり残しがあることがあります。そんな場合に、工事代を「全額支払い済み」のときと「残金が残っている」ときでは、業者の対応がかなり異なることがあります。ローン契約の場合の、お客様の工事完了確認印も必ず工事が完了してから押しましょう。
また、工事も始まっていないのに前払い金ばかり要求する業者には要注意!
「お宅様を当社のモデルハウスにさせてほしい。工事費の○○%は当社が負担する」
元値自体が異常に高いことがあります。
「ただいまキャンペーンをやっている。今すぐ契約すれば○○%割り引き。本日までです。すぐ契約されるとおトクですよ!」
このような売り込みではいつも「本日まで」です。
「あとで見積り書を持ってくる」と言いながら、いきなり「契約書にハンコをください」と切り出す。
必ず見積明細をもらって確認してからハンコを押しましょう。口約束も厳禁です。
1. 工事によって起こりうる生活の支障を事前に確認する
施主は工事中でもできるだけ普段と変わらない暮らしを求めますが、業者は限られた期間内に効率的に工事を進めなければいけません。従って、工事によって起こりうる生活の不便を事前にしっかり聞いて、認識しておくことが大切です。
外装工事では「足場はいつまで組まれたままになるのか」「車庫は普段通り使えるのか。業者の車の置き場所はあるのか」。内装工事では「施主が在宅する必要のある日はいつか。何日間か」「トイレ・お風呂が使えない日は何日か」等がきいておきたいポイントです。
2. 相談・質問は工事の責任者へ
工事に関する相談・打ち合わせなどは、必ず工事の責任者とやりましょう。施主が現場で思いついたことを現場の職人さんに依頼したら、後で予想以上の追加請求がきてビックリ、ということも。 同じように、施主側も窓口が誰なのかを明確にしておくべき。業者からみて、ご主人と奥さんの言っていることが食い違い、しかも別々に依頼があると工事が進みません。
お互いに窓口を一本化しておくことは大切です。
3. お茶出しは無理をしないで
外出をとりやめてまで工事の人たちにお茶を出す必要はありません。在宅時には、ポットのお湯と急須、湯飲みを置いておく程度で良いでしょう。
また、作業中に何かと話しかけると、職人さんが仕事に集中できないこともありますので配慮しましょう。